しゃへい計算

 

 

遮蔽計算は、医療施設におけるエックス線室の管理区域、病室、居住区域及び敷地境界において、計算により3月間当たりの漏洩実効線量を求める方法です。
この計算により、エックス線室の放射線防護に必要な鉛当量(遮蔽厚)を算定することができます。

  1. 当社では 厚生労働省医政局長通知 医政発0315第4号 平成31年3月15日「病院又は診療所における診療用放射線の取扱いについて」(※外部PDFへリンク)による、診断用エックス線診療室の遮蔽計算を行っております。
  2. 当社の遮蔽計算業務は全て、JIRA認定資格 X線しゃへい計算技術者 または JIRA認定資格 X線診療室漏えいX線量測定士 有資格者が行っております。
  3. 公益社団法人日本放射線技術学会 関係法令委員会発行による遮蔽計算
    公益社団法人日本放射線技術学会 関係法令委員会発行の「X線CT室の漏えい線量計算マニュアル 第1版(2019年1月発行)」に則った遮蔽計算(Japanese-DLP*法)にも対応可能です。
    *DLP…Dose-Length Productの略称

>>>JESRA TR-0046-2019「X線診療室しゃへい計算マニュアル」

しゃへい計算書の例

クリックでサンプルがダウンロードできます。

 

JIRA認定資格「X線しゃへい計算技術者」

「X線しゃへい計算技術者」は、JIRA工業会規格(JESRA規格)に基づく計算技術や関連知識のもと、X線診療室のしゃへい計算*を行う専門技術者の認定を目的としたJIRA認定資格です。
2023年6月現在、医建エンジニアリングには3名のX線しゃへい計算技術者が在籍しています。
2023年9月には5名に増える見込みです。

JIRA認定資格「X線診療室 漏えいX線量測定士」

 

「X線診療室 漏えいX線量測定士」は、X線診療室の漏洩X線量測定に必要とされる関係法令などの関連事項、JIS Z 4716およびJESRA規格に則った漏洩X線量測定を行うための作業手順、測定従事者として必要なコンプライアンスに関する事項などを習得していることをJIRAが認定する資格です。第1回認定講習会が2020年1月に開催され、2023年7月現在、医建エンジニアリングには18名(補佐含む)のX線診療室 漏えいX線量測定士が在籍しています。

しゃへい計算を実施するタイミング

  1. エックス線診療室の設計段階で適切なしゃへい厚を求めるとき
  2. エックス線装置の更新や位置変更時に既存のエックス線診療室のしゃへい厚で
    法定の線量限度の基準を満たせるか確認するとき
  3. エックス線装置の稼働状況が変わった際にエックス線診療室が
    法定の線量限度の基準を満たしているか確認するとき
  4. エックス線診療室を拡大や縮小するなど構造変更するとき

医建エンジニアリングでは、設計段階での防護(しゃへい厚)検討を承ります。*有償
検討の際には、下記の資料のご記入とご共有をお願いいたします。
* 1室100,000円

  • 遮へい計算作成条件表(弊社よりお送りいたします)
  • エックス線診療室の平面図
    *部屋の大きさとエックス線装置位置の寸法がわかるもの
  • エックス線診療室の断面図
    *部屋の大きさとエックス線装置位置の寸法がわかるもの
  • フロア図面、敷地図面 等
    *エックス線診療室から最短の病室、敷地内居住区域、敷地境界までの
    距離と方向がわかるもの

線量限度の基準

エックス線診療室をはじめ、院内には線量限度が定められた区域があります。

線量限度図
*医療法施行規則

①エックス線診療室画壁境界:1mSv/週
②管理区域境界:1.3mSv/3月間
③病室:1.3mSv/3月間
④居住区域、敷地境界:250μSv/3月間
法律上は①の規定がありますが、医療施設ではエックス線診療室を含め、用途変更が起きることも想定し、エックス線診療室の画壁は②~④の値での対応をお勧めします。

またビルに入居するテナント診療所の場合は、線量限度に注意が必要です。

テナント診療所でエックス線診療室の上下左右の画壁が他テナントと接する場合、敷地境界の扱いとなるため、遮へい基準が厳しくなります(上記④)。
画壁等が仮に鉄筋コンクリートであったとしても、その厚さや密度(=遮へい能力)が確認できない場合は、その画壁等を遮へい物として考慮しないことをお勧めします。また、エックス線診療室が接する上下左右の他テナントに立入ることができず、漏えい放射線量測定が行えない場合などは、特に安全となる基準で防護する必要があります。

カタログダウンロード

お問い合わせ